2017-11-30 ■ 詩を読むのが、怖かったそれは波のようで、濡れた砂浜に立つ素足を優しく掴んでは離す、そのたび何かを奪っていく、詩というものにはそういう悪いところがある。「奪われたもの」がどういうもので、なんの役目を、と聞かれてしまえば答えようがない確かなのはガラスの目玉でむこうに浮かぶ蜻蛉の羽を見るわたしは、もうわたしでないこと